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「ワンチーム」どこへ　オミクロン株に揺れる留学生　高校ラグビー 　新型コロナウイルスの影響下で、2回目の開催となる第101回全国高校ラグビー大会（27日開幕）。特に逆風を受けているのが、外国人留学生を抱える出場校だ。日本政府の感染拡大防止策で入国が長く制限され、ようやく緩和されたのに変異株「オミクロン株」によって状況が一変。チーム作りに影を落としている。 入国制限→緩和→制限のループ 　「2年生は昨年の春先にギリギリで来日できた。でも、入学が決まっている1年生のトンガの選手は、まだ来日できていない」 　そう語るのは、花園優勝5回の古豪、目黒学院（東京第2）の竹内圭介監督だ。これまでトンガ出身のバックス、アタアタ・モエアキオラ（25）＝神戸、FWテビタ・タタフ（25）＝東京SG＝らを日本代表に育て上げた。「せっかく日本での活躍を志しているのに来日できないのは、かわいそう」とため息をつく。 　今大会の出場校51校のうち、高校入学を機に来日した留学生がいるのは9校。開志国際（新潟）はニュージーランド（NZ）出身の2年生1人と、トンガから来日予定だった1年生2人が来日できていない。高橋昌徳監督は「留学生が日本に入国できず、チーム構成を見直しながら対応してきた。他の競技の留学生も同じような状況だ」と言う。今大会は出場を逃した大分東明は、フィジー出身選手の活躍もあり、前回16強入りした。白田誠明監督は「今在籍している留学生2人は、来日してから一度もフィジーに帰っていない。クリスマスシーズンや正月は帰してあげたいけれど、オミクロン株も出てきたので帰せない。私も外国に選手を見に行けない」と話す。 　昨春以降、政府は新型コロナの水際対策として、外国人の新規入国を段階的に制限した。2020年10月に一時緩和したが、感染再拡大により21年1月に再び制限を強化。例外は国費留学生など一部で、留学生全体の約95％を占める 　ラグビーの第101回全国高校大会は27日、初出場の3校を含む51校が出場して大阪・花園ラグビー場で開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前回大会に続き開会式は行わない。3回戦まではチーム関係者（1校60人）のみ入場可とし、来年1月3日の準々決勝以降は収容人員の半数まで一般客の入場を認める方針。決勝は来年1月8日に予定されている。 週3日1時間の練習で「花園8強行ける」静岡発、サステナブルな挑戦 　5大会ぶり7度目の頂点を狙う東福岡が優勝候補の筆頭だ。今春の選抜を制し、県予選は全4試合で80点差以上をつけ、無失点だった。高校日本代表候補は10人を数える。運動量が豊富なFW陣と前回大会を経験したSO楢本幹志朗、CTB平翔太が牽引（けんいん）するバックス陣に死角は見当たらない。 　同じAシードの桐蔭学園（神奈川）と東海大大阪仰星（大阪第2）が追う。桐蔭学園は前回大会で、1年生ながら快足を武器にトライを重ねたFB矢崎由高らバックス陣が強力。2010～12年度の東福岡以来史上6校目の3連覇を狙える力がある。東海大大阪仰星は、今夏の全国7人制大会で優勝した。突破力のあるナンバー8薄田周希、WTB御池（おいけ）蓮二を中心にFWとバックスに一体感がある。 　ともにBシードで、前回準優勝の京都成章と3大会ぶりの優勝を狙う大阪桐蔭（大阪第3）は3回戦で当たる可能性があり、勝者は勢いに乗りそうだ。京都成章は主将のSO大島泰真のゲームメイクが巧みで、大阪桐蔭はフィジカルに自信を持つ。6月の関東大会で桐蔭学園を破った流通経大柏（千葉）や7人制大会準優勝の国学院栃木など関東のBシードにも力がある。（佐藤祐生）